2022年04月09日
簡単な足し算・引き算なら魚でもできることが判明!?

こんばんは、Nike Man です。
最近の研究では、サンショウウオやマングースキツネ、ショウジョウバエ、ミツバチなどが数的能力を持っていることが実験で確認されています。
この程、『Scientific Reports』(2022年3月31日付)に掲載された研究によりますと、カワスズメ科のシクリッドと淡水エイは、1から5までの範囲なら「足し算」と「引き算」ができるというニュースがありました。
この研究は、魚の計算能力がほかの脊椎・無脊椎動物に匹敵するものであることを浮き彫りにしています。
足し算と引き算といえば、小学校1年生で習う学習内容です。ウチの子どもも、その時は結構苦労していました。
本当に魚たちが足し算や引き算ができるのでしょうか?
■ 魚に算数を教えてみた

今回、ドイツ・ボン大学(ライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学ボン)動物学研究所のベラ・シュリュセル氏らが調べたのは、8匹のシクリッド種「メイランディア・ゼブラ(Maylandia zebra)[ゼブラシクリッド]」と8匹の淡水エイ「ポタモトリゴン・モトロ(Potamotrygon motoro)」の計算能力です。
実験の方法はこうです。まず、魚たちに青の印なら、描かれている印の数に1を足します。黄色の印なら、描かれている印の数から1を引くと教えます。それから、青か黄色の印が描かれたカードを見せて、正解と不正解の数が描かれた2つのゲートのうち、どちらかを選ばせます。
たとえば、青い印が3つ描かれたカードを見せられた魚は、1 + 3 = 4が答えなので、印が4つ描かれたゲートを通れば、ご褒美がもらえます。
■ 足し算と引き算ができるようになった

この結果、ゼブラシクリッド6匹とエイ3匹は、きちんと計算できるようになったそうです。
覚えるまでの平均練習回数は、ゼブラシクリッドが28回、淡水エイが68回でした。
引き算よりは、足し算の方が覚えやすく、ゼブラシクリッドはエイに比べて各々の成績の差が大きかったようです。

足し算の正解率は、ゼブラシクリッドが381回中296回(78%)、エイが180回中169回(94%)とかなり高得点。
一方、引き算はやや難しかったようで、前者が391回中264回(69%)、後者が180回中161回(89%)でした。
■ 計算能力が個体を識別するヒントになっている可能性

どちらの種にとっても、計算能力はそれほど重要ではないかもしれません。
しかし研究グループによりますと、縞模様や斑点の数を数えるなど、外見から個体を識別するヒントになっている可能性があるかもしれないということです。
魚の認知能力や感覚については、再考の余地があるだろうことを示す証拠が増えつつありますが、今回の研究もそうしたものの1つであるということです。
■ Zebra mbuna fish and stingrays can add and subtract - PHYS ORG
■ Count on Them: Stingrays And Zebra Mbuna Can Add And Subtract Small Numbers - science alert
■ カメの持つ長期記憶と社会性
ミツバチに関しては、以前コチラのブログでも紹介したと思いますが、カメにも長期記憶や社会性があると県内にあるOIST(沖縄科学技術大学院大学)の研究の記事が昔ありました。
アルダブラゾウガメを10年かけて研究した、タマー・グットニック博士の研究記事です。

十年来の友情: ウィーン動物園で、お気に入りのカメ、100歳のアルダブラゾウガメのジョージを撫でるグットニック博士
アルダブラゾウカメとガラパゴスゾウカメの社会学習について、世界で初めての論文記載らしいです。コチラの記事も興味深かったので、ぜひ読んでみて下さい。
■ 驚きのカメの記憶力 - OIST 沖縄科学技術大学院大学
Posted by Nike Man5 at 17:04│Comments(0)
│ビックリ情報