Nike Man ～LL. Cool J のボディーを目指して～ Season5

■ 漁師がボートから転落　











　カリフォルニア州サンタバーバラ海峡で、1月のある深夜にウニ漁をしていたスコット・トンプソンさんは、強い波に襲われバランスを崩し、ボートから海へ転落しました。
　Tシャツと短パン姿だったスコットさんは、急いでボートに戻ろうとしましたが、ボートはモーターを動かしたままの状態だったため、遠くに進んでしまい追いつくことができませんでした。
　深夜の極寒の海に取り残されたスコットさんは、遠ざかっていくボートを見て呆然自失となりました。妻や子供たちの姿が頭に浮かんだそうです。
　後のメディア取材で、スコットさんは当時の心境をこのように語っています。











　大変なことになったと思いました。このまま自分はここで死ぬのかとも思いましたが、娘や息子、そして妻を残して死ぬわけにはいかない。何としてでも家に帰らなければ、と思いました。そこで、どうすべきか必死に考えていた時、大きな水しぶきの音がしたんです。


■ アザラシと出会い、泳ぐ決意をする











　スコットさんは、サメが近付いて来たのかと思い、恐怖におののきました。
　ですがそこにいたのは、1頭の小さなゼニガタアザラシでした。
　水面から頭を出してスコットさんの方をキョトンとした表情で見ていたそうです。
「なんだか、そのアザラシが犬のように思えて、こっちにおいでと思わず呼びかけました。アザラシは私を見て上下に揺れ、水中に姿を消しましたが、再び水面に現れ、近くに寄ってきました。」


■ アザラシと共に5時間泳ぎ続け、ついに施設に到達











　真っ暗な海の中で、スコットさんにとってそのアザラシは唯一の救いで、自分を励ましてくれているように感じました。
　そして、スコットさんは岸へ泳ぐよりも近い石油プラットフォーム（海上石油掘削施設）まで泳ぐことを決意しました。
　アザラシはその間ずっと、スコットさんと一緒に泳ぎ続けてくれました。スコットさんは、アザラシに話しかけたり、歌を歌ったり、冗談をいったりしながら気を保ち続けました。

　そしてついに、約5時間かけてゲイル海上石油掘削施設へと辿り着きました。
施設の職員は、スコットさんを救出すると、応急処置を施し、沿岸警備隊に連絡。その後、病院に搬送されたスコットさんは低体温症の治療を受けました。

　「石油プラットフォームに辿り着く頃には、周りが明るくなり始めていました。 生きて助けを求めることができた時には、空を見上げて泣き声を出して叫びそうになったほどでした。アザラシが仲間となり、励ましてくれたからこそ、自分は生き延びることができたのです。」（スコットさん）

　今回の救助に携わった海兵隊員のポール・アマラルさんは、次のように述べています。
「月も出ていない真っ暗な海を、Tシャツと短パンで長時間泳ぐことを想像しただけで、恐怖です。彼がこの試練を乗り越えたことはまさに奇跡としか言いようがありません。」










　現地の海難救助サービス「TowBoatUS Ventura & CI」のインスタグラムによりますと、座礁していたトンプソンさんの船も救出されたそうです。サンタバーバラ海峡から、約8km東に位置するアナカパ島で発見されました。
　同サービスは、トンプソンさんを「非常に幸運な人」とした上で、「必ず救命胴衣をつけるように」と警告しています。

　幸い、カリフォルニアという比較的温かい海だったから良かったというのもあります。これがニューヨークとかの極寒の海なら命はなかったかもしれません。また、カリフォルニアが温かいということは、スコットさんが言うように、サメも多く生息していると思われます。今回、アザラシに助けられたということですが、Wikipediaを見ますと、日本で３人の人がアザラシに噛まれた事件もあったようです。スゴい恐怖の中ではありましたが、色んな面で、命が生かされたラッキーな方だったとボクは思います。


■ 「ほら前に進んで」アザラシに励まされて5時間泳いだ男性が奇跡の生還 － HUFFPOST





■ Boater who fell into the ocean off Santa Barbara coast swam FIVE HOURS to an oil rig nudged by seal