2021年12月06日
塩つぶほどの大きさでフルカラー撮影ができるカメラが開発される!

こんばんは、Nike Man です。
米プリンストン大学とワシントン大学の研究グループが開発した、”塩粒”ほどの超小型カメラ。
患者への負担が少ない内視鏡や、小型ロボットへの応用が主に考えられているそうですが、背面全面がカメラになった、まったく新しいスマホも開発できるかもしれないということです。
■ 塩粒ほどの大きさの超小型カメラの仕組み

従来のカメラは、ガラスやプラスチックのレンズで、光線を曲げて焦点を合わせていました。
一方、『Nature Communications』(2021年11月29日付)で発表された新しい超小型カメラは、「メタサーフェス」という技術を採用しています。カメラの大きさは幅0.5ミリと荒めの塩つぶほどですが、160万本もの柱のような極小の円柱形のアンテナのようなものが埋め込まれています。HIVウイルス程度しかない極小アンテナは、光をキャッチするためのものです。それぞれ形が異なっており、光の「波面」を正確にとらえることができます。こうして捕捉した光を、機械学習でトレーニングされたアルゴリズムによって画像化します。これが、新型メタサーフェス・カメラの仕組みです。
■ 体積50万倍のレンズカメラと同等の美しさ

これまでの小型カメラ(左)は、視野が狭くぼやけた歪んだ画像でした。
ニューラルナノオプティクスと呼ばれる新しい小型カメラ(右)では、従来の複合カメラレンズと同等の鮮明なフルカラー画像と同等の画質を得ることができます。
/ image credit:the researchers
それによって撮影された画像は、メタサーフェス・カメラとしては史上最高の美しさで、なおかつ最大の視野を誇っています。
従来のメタサーフェス・カメラには、画像が大きく歪み、視野が小さく、可視光のスペクトル全体をとらえられないという欠点がありました。ですが、今回のものでは、それらが克服されています。
実際に撮影された画像は、端がややぼやけるという欠点があったそうです。ですが、それを除けば、体積が50万倍もあるレンズカメラのものと同等の品質だそうです。
さらに、これまでのようにレーザー光が必要ということもありません。そのため、実験室などの設備が整った場所でなくとも、自然光の下で十分な性能を発揮することができます。
■ 背面全面がカメラのスマホが登場するかも

今回の超小型カメラの用途としては、今のところ、患者に与える負担が少ない内視鏡や、積載能力に限りがある小型ロボットなどが主に検討されているようです。
ですが、スマホの裏にやたらと悪目立ちする3眼カメラを埋め込む代わりに、背面全体を1つの大きなカメラにするといったアイデアも出されています。
これが実現されますと、今とまったく違うデザインのスマホが登場するかもしれません。
研究グループは現在、カメラの演算能力向上や、物体検出機能の搭載などに取り組んでいます。その目指す先は、「センサーとしての表面(サーフェス)」です。
■ Microscopic Camera that Size of a Grain of SALT
■ Researchers shrink camera to the size of a salt grain - PRINCETON UNIVERSITY
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Posted by Nike Man5 at 17:21│Comments(0)
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