■ アメリカは高所得国の中で一番寿命が短い
2020年の時点で、アメリカの出生時平均寿命は77歳で、高所得国の平均よりも3年短かったのですが、2021年のデータによりますと、77.0歳から76.1歳へとさらに短くなってしまっているようです。
その要因は、新型コロナの流行であるようです。
2020年、高所得国の中で、新型コロナによる死亡率が一番高かったのはアメリカで、ついでにワクチン接種率も最低水準でした。
■ アメリカは高所得国の中で一番医療費が高い
アメリカ人は、法外なほど高額な医療費を支払わされています。
2020年、アメリカのGDPに占める医療費は17.8%で、高所得国平均(9.6%)のほぼ2倍です。
1人あたりの支払額で見ますと、国の保険制度・民間保険・自己負担によって1万2000ドル(約127万円)を支払っており圧倒的です。
これに一番近かったドイツですら、1人あたり7000ドル(74万円)なのです。
※資料は、コチラから引用。
■ U.S. Health Care from a Global Perspective, 2022: Accelerating Spending, Worsening Outcomes-The Commonwealth Fund
可能性としては、アメリカ人は高額な医療費のせいで病院に行くことをためらい、そのせいで早死にしているのかもしれません。
高所得国の中でアメリカ人は、病院で診察を受ける回数が一番少なく、年にわずか4回(高所得国平均5.7回)だけです。
また1000人あたりの開業医の数も少なく、平均3.7人に対して、アメリカは2.6人と最低水準です。
今回の分析対象となった高所得国の中で、アメリカは唯一、医療保険が保証されていない国です。
ほかのほとんどの高所得国では、国民全員が公的な医療保険に加入し、さらに民間の保険に加入することもできます。
■ アメリカは出産時の乳児・妊婦死亡率も一番高い
また残念ながらアメリカは、赤ちゃんや妊婦にとってあまり優しい国ではないようです。
高所得国の中で、出産時の乳児死亡率と妊産婦死亡率が一番高いのです。
アメリカでの出産は、母親にとってもリスキーで、2020年に出産10万人あたり23.8人が亡くなっています。これは、高所得国平均の約2.5倍です。
アメリカでは今、さまざまな州が女性の生殖権と出産サポートを後退させようとしているため、この数字は
今後さらに悪化すると予想されるそうです。
■ 予防や治療ができる病気での死亡率も高い
出産だけでなく、アメリカでは治療や予防ができる病気(防げる病気)での死亡率も、ほかの高所得国に比べてずっと高くなっています。
2020年、防げる病気によるアメリカ人の死者は、10万人あたり336人。
これに対して高所得国の平均は225人です。しかもアメリカでは、この数値が2015年からずっと上昇しております。
こうした状況は、アメリカ人が複数の慢性疾患をわずらっていることが多いこととも一致します。
2020年、アメリカでは成人の30.4%が、2つ以上の慢性疾患と診断されたことがあります。一方、ほかの高所得国では4分の1以下です。
そしてこの差は、アメリカ人に肥満が多いこととも関係するかもしれません。アメリカで肥満とされる人の割合は、ほかの高所得国の平均の2倍近くもあるのです。
砂糖やジュースなどの甘いものだったり、ファストフードなどの油っぽいものなどが原因なんでしょうね。気を付けたいですね。
■ US still has the worst, most expensive health care of any high-income country-ars TECHNICA