最近このエリアでは、車内の物品を狙った車上荒らしが多発しています。窃盗犯は、駐車されている車の窓ガラスを道具で粉々に割るという荒っぽい手口であります。
車を開放することで破壊されることを防ぎ、尚且つ「入ってもいいよ、盗めるものなど何もない」ということをアピールしているということだそうです。
■ 車上荒らしに対抗した斬新な駐車方法
カリフォルニア州サンフランシスコやオークランドの都市部では、最近急増している車上荒らし対策として、車の所有者がトランクや窓を開けっぱなしにしたままで駐車しているという光景が多く目撃されています。
その理由は、窃盗犯に車の窓を粉々に割られるのを防ぐため、車内に盗めるものなど何もないということをアピールする為なんだとか。
他にも車への被害を最小限に抑えようと、ドアを故意にロックせず駐車し、「窓ガラスを割らないで!」「ドアは開いたままです」「中には何も金目のものはありません」といったメモ書きまで残して駐車する者もいるようです。
■ 逆効果であると警察は注意喚起
しかし、リスクを背負ったこうした「犯罪予防対策」は逆効果だと、オークランド警察とサンフランシスコ警察は注意喚起を促しています。
「車に鍵をかけていないから」また、「トランクを開けっぱなしにしているから」窃盗犯は何も盗まない、というわけではありません。
近年は、ラップトップを車中に隠していても、電源が入っていれば検出できるデバイスもあります。貴重品を隠しても無駄。車中には放置しないでください。
クリスマスなどのホリデーシーズンは、こうした犯罪が更に増えるため、トランクやドアも開放したままにしないでください。
■ 車の犯罪は去年と比較して200%の増加
オークランドとサンフランシスコの警察によりますと、車中の物を盗む、または車そのものを盗み去る犯罪は、同エリアでは去年と比べ200%近くも増加しており、毎日74件の被害報告があるそうです。
しかも、最新の一連のこうした犯罪は、SNSを介して仲間を募っていることが多く、見知らぬ者同士が加担し合って、ターゲットとなる店や車を集団で襲うというケースが多発しているとのこと。
そのため、加害者の1人が捕まっても、必ずしも芋づる式に共犯者が判明するとは限らないようです。
サンフランシスコのロンドン・ブリード市長は、急増する車への犯罪に対する措置や対策が甘いという批判の声を受け、次のように声明を発表しました。
法務執行機関に強力な政策変更を求め、私たちの街を破壊する全ての極悪非道な輩に対して、決して寛容さを見せないあらゆる措置を講じていく所存です。
車の所有者は、トランクを開けたままにするのではなく、通りに向けて車にカメラを設置してください。そしてそのカメラを警察に登録してください。
犯罪の手口というのは常に変化しますが、犯罪を予防しようとする人々の方法も時代と共に変わります。
そのことに衝撃を受けた様子のオークランド警察ギャレット・トム副署長は、メディアの取材でこのように語りました。
車が破壊されないようにと、ドライバーが故意にトランクを開けたままにするという光景は、自分の40年の警察キャリアの中でも初めてです。
私たちは、様々な時代に生きているということです。驚きしかありません。
しかし、貴重品がなくても、タイヤやバッテリーを盗んだり、個人情報に繋がる何かをダッシュボードの中から持ち去ったり、車ごと盗まれる可能性は十分にあるので、絶対にトランクやドアを開けたままにしないでください。
■ California Driver Leaves Car Door Open to Deter Thieves
■ 米国の車上荒らしにノーガード戦法? トランク全開で“盗む物なし”アピール - 日刊ゲンダイDIGITAL
■ California Driver Leaves Car Trunk Open to Deter Thieves From Breaking in - INSIDE EDITION