使い捨てマスクによる環境への影響 マスクをリサイクルする

Nike Man5

2021年03月31日 17:07











 こんばんは、Nike Man です。

 コロナウィルスによって、マスクを着けることが日常化している今、使い捨てマスクによって環境への悪化も懸念されております。
 ゴミ箱に捨てられたならまだよいのですが、道ばたに落ちてしまったマスクなどが風に舞い、海などへ飛んでいったりして海を汚したり、動物たちに絡まったりするなどもあるようです。













































 1日あたり、全世界で捨てられるマスクの数は、およそ68.8億枚。重量にして、約20万6470トンにもなります。
 そのマスクをなんとか、リサイクルできないだろうかという研究を試みているというニュースをご紹介いたします。












 廃棄されたマスクや個人防護具(PPE)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に汚染されている可能性が高いため取り扱いが難しく、また生分解性プラスチック製ではないため自然に分解されて土に返ることもありません。そのため、廃棄された使い捨てマスクは焼却されたり埋め立て地に送られたりするのが一般的です。











 オーストラリア・ロイヤルメルボルン工科大学の土木工学者であるモハマド・サベリアン氏らの研究チームは、再生コンクリート骨材(Recycled Concrete Aggregate:RCA)に細断した使い捨てマスクを混合させて、道路の舗装材としての適性を調べる実験を行いました。RCAとは、建物を解体した際に発生するコンクリート片などから成る建築材料です。全世界で毎年発生する廃棄物の約半分が、建造物の建設や改修、解体に関連して発生した廃棄物だといわれており、オーストラリアだけでも毎年約315万トンのRCAが使われることなく放置されているとのこと。










 RCAと使い捨てマスクを、重量比で99対1の割合で混合して作られた舗装材は、応力・耐酸性・耐水性・強度・変形及び動的特性などのテストで優れた結果を示し、舗装材としての使用が認められるための要件を全て満たしていたとのこと。以下が、サベリアン氏らがRCAと使い捨てマスクから作った舗装材のサンプルです。










 使用済みの使い捨てマスクを再利用するとなると、ウイルスによる汚染が懸念されますが、研究チームは「使い捨てマスクに消毒液を噴霧して、一般家庭にもある800Wの電子レンジで加熱する『マイクロ波法』を使えば、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の99.9%を死滅させることが可能」としています。また、実際に使い捨てマスクから作った舗装材を使用する際には、感染リスクを回避するため「舗装材を1週間屋外に放置してウイルスを不活性化させる」ことも検討されているとのことです。

 研究チームの試算によりますと、使い捨てマスクを含んだ舗装材で2車線の道路を1km舗装するだけで、約300万枚のマスクを再利用することが可能で、埋め立てられる廃棄物も93トン減少させることができるとのこと。









 サベリアン氏は研究結果について、「使い捨てマスクで舗装材を作ると、道路の素材にしても問題がないどころか、かえって工学的なメリットまで発生するのには驚かされました」とコメント。論文の共著者であるジエ・リー氏は「今回の研究は、ポイ捨てされた使い捨てマスクが路上に落ちているのを見たのがきっかけでした。もし、ポイ捨てされたマスクが適切に廃棄されていたとしても、それらは焼却されたり埋め立てられたりするのが関の山です。しかし、COVID-19に伴う廃棄物問題に循環型経済の考え方を採り入れれば、スマートで持続可能な解決策を見いだすことができるはずです」と述べました。


■ Repurposing of COVID-19 single-use face masks for pavements base/subbase - ScienceDirect


■ Recycling face masks into roads to tackle COVID-generated waste - RMIT University
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